2015年3月30日月曜日

充電式ポータブルHPAをケース入れ

前回作った「デュアルNchチップMOSFETを使った充電式ポータブルHPA」を小さなアルミケースへ入れてあげた。


中身


外見

青色LEDがあまりにも眩しいため、半透明のプラネジを通してぼんやり光らせてある。


後ろ姿

充電用のジャックと、LM317放熱用のネジがあるだけ。穴が1つ多いのは、最初に開けた穴が充電用ジャックと充電回路用基板が干渉するため…


使用風景

ちょっと3.5mmジャックが近すぎるけど、電池との干渉があるからしょうがない。
でも、もう少し離せたかも。


裏側

ちゃんとゴム脚も付けている。これで机上なんかに置いた時も安定する。

なかなかの出来映えだ。


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2015年3月29日日曜日

デュアルNchチップMOSFETを使った充電式ポータブルHPA(★★お勧め)

デュアルNchチップMOSFETであるNDS9936(なぜかフェアチャイルド本家で探すとSi9936DYが出てくる。後継のようだ)を使った、充電式のポータブルなヘッドホンアンプを作ってみる。


006P型充電池を並列でw

電力消費が激しいため、006P型ニッケル水素電池を2個並列で使うことにする。
いちいち電池を取り出して充電器にセットするのも面倒なため、充電機能も実装してみよう。たぶん2個並列でも3~4時間しか電池が保たない気がする(笑)
充電回路は、LM317のデータシートにアプリケーションノートとして載ってるのをパクってみた。
充電池の並列接続はあまりお勧めできないが、一応ダイオードで相互にガードしてるから大丈夫(のはず)。


実験中

定電流回路に使った青色LEDが眩しい。
NDS9936はなかなかの良い音を出してくれる。2個入りチップだからコンパクトに作れるし。


NDS9936ご本尊(ピンボケ)

ユニバーサル基板への変換基板を使って実装。
入力カップリングにタンタルコンはお勧めだ。電解コンよりフィルムコンに近い音がする。極性を間違えると爆発するから、絶対に間違えないこと!


充電回路

この充電回路、負荷に応じて電流を調整してくれるから便利だ。
電流の最大値で抵抗値(この回路の場合6.2Ω)を決めて、負荷無し時の電流を調整すれば、後はLM317さんへお任せだ。
これでMOSFETソースフォロワーの音を持ち運びできる♪

音的には★3つか4つだが、なかなか危険な香りがする回路のため、控えめに★は2つとしておこう。

さて、箱に詰めなきゃ。。。


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2015年3月22日日曜日

「修理おじさん」の2SC1815たった3石で作るヘッドホンアンプ(★★★★お勧め)

自作アンプ仲間の「修理おじさん」が非常に興味深いアンプを作成してるので、おじさんからの依頼もありシミュレーションで検証してみた。
測定条件は、入力が最大振幅1V(2Vpp)、負荷は32Ω(一般的なヘッドホンのインピーダンスを想定)としてある。


評価回路

たった3石のヘッドホンアンプ。下2つのトランジスタは定電流回路なので、実質的には2SC1815が1石のみのエミッタフォロア-電流増幅である。もちろん利得は1倍の0dBアンプだ。
入力に最大振幅1V(2Vpp)のサイン波を入れてみた。


出力も2Vpp

0dBアンプなため、出力も入力と同じ2Vppだ。
低電圧でしかも2SC1815を3石しか使ってないが、その波形はクリップも無くとても綺麗なものである。


周波数特性

高域に変なピークも無く、100MHz近くまでフラットに伸びている。素晴らしい。
2SC1815の素性の良さを感じられる。


歪率

Total Harmonic Distortion: 0.153966%(0.153945%)

高調波歪みは出ているが変なフロアは全く出ておらず、おそらく聴覚上で歪みを感じることはないと思われる。
もちろん、HiFiとかピュアオーディオと呼ばれるレベルの値では無いが、この手軽さとコストパフォーマンスを考えると、これは素晴らしい値と言える。


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2015年3月18日水曜日

1石(MOS-FET) 0dBヘッドホンアンプの測定結果

前回の記事で作った「1石(MOS-FET) 0dBヘッドホンアンプ」をRMAAで測定してみた。

先ずはサマリーから。


例によって、左は測定に使ったUSBオーディオデバイスのループバック結果。
理論的に、これを超えることはできない(誤差で超えることはある)。

歪率以外はほとんど劣化していないのが分かる。
ノイズレベルの値から、このアンプによるノイズはほとんど発生してないと言えるだろう。
左右で電源を独立したのが効いているのか、クロストークの値が良い。

歪率は、負帰還無しの0dBアンプとしては、非常に良い値ではないだろうか。

以下に各種グラフを掲載する。


周波数特性

高域のクネクネは、測定に使ったUSBオーディオデバイスの癖なので気にしない。そして、RMAAは20kHzまでしか測定できないため、20kHzでぶった切られることを考慮して欲しい。
グラフを見てみると、USB(略)の出力から、ほとんどというか全く劣化は見られない。低域から高域まで、フラットである。


ノイズレベル

おおよそ-120dB付近まで低い値だ。入力ショート時は、ボリュームMAXにしても無音であることが数値から証明された。


ダイナミックレンジ

低域と中域に若干の劣化が見られる程度。


歪率

高調波歪みが観測される。しかし、聴覚上で歪みは一切感じることはできない。


クロストーク

全域に渡って優秀な値である。高域に少し劣化が見られる程度。
電源を左右独立にした効果であろうか。

差動入力やら、プッシュプル回路やら、オペアンプやら、負帰還、利得なんて難しいこと考える必要もなく、こんな単純な回路でここまでの特性が出るとは驚きである。

音はとてもダイナミックであり、押しの強さが良い。それでいてノイズは皆無で静寂さや透明感も表現できる。

殿堂入りにふさわしい。


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2015年3月14日土曜日

1石(MOS-FET) 0dBヘッドホンアンプの詳細(★★★★★お勧め)

前記事では、ヘッドホン出力時の遅延回路をはしょってたので、ちゃんと入れたのを載っけることにした。

POP音防止の遅延回路(右下)
※トランスを間違えていたので訂正。12V/0.2A→12V/0.3A
※上記に伴い、パーツ表も訂正。

パーツのレイアウトも載っけてみる。

アンプ部

12V/2回路リレーが大きいため、遅延回路が面積の約1/3を占めている。。。
12k抵抗が斜めってるのは、MOS-FETのヒートシンクと干渉するためw


電源部

二次側2回路で±両電源を作るのは良くあるが、プラス電源×2は珍しいのではないだろうか(笑)
一応パーツ表を載せておく。トランスは秋葉原のラジオデパートかラジオセンターで類似のものがあるはずだ。

パーツ個数購入先備考
IRLB3034PBF2秋月N-Ch MOS-FET
2SC1815(Y)3秋月定電流回路と、遅延回路に利用
2SC39642秋月定電流回路用
NJM78122秋月12V/1A三端子レギュレータ
1N41484秋月汎用シリコンダイオード。色んな箇所で逆流防止用
SDI21002秋月SBDブリッジ
941H-2C-12D1秋月12V/2回路リレー
50F2D104J2秋月ルビコンフィルムコンデンサ 0.1u/50V 104
630MPS104J1秋月メタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサ0.1u/630V 104
トランス一次側スパークキラー構成用
16PB017-010254秋月ヒートシンク。MOS-FETと三端子レギュレータ用
2Pターミナルブロック2秋月トランス一次側入力。[AC,AC]
3Pターミナルブロック1秋月トランス二次側出力。[+,GND,+]
3Pターミナルブロック(小)3秋月アンプ側の入力/出力/電源用
秋月ユニバーサル基板Bタイプ1秋月アンプ実装基板
33Ω-1W 酸化金属被膜抵抗2千石ヘッドホン出力切替前の負荷抵抗
120Ω-1W 酸化金属被膜抵抗1千石トランス一次側スパークキラー構成用
12kΩ-1/2W金属被膜抵抗2千石定電流回路用
10Ω-1/2Wカーボン2千石定電流回路用
33kΩ-1/2Wカーボン1千石LEDのブリーダー抵抗
39kΩ-1/2Wカーボン1千石オンディレイ回路のCR回路のR
200kΩ-1/2Wカーボン2千石入力バイアス用
240kΩ-1/2Wカーボン2千石入力バイアス用
TBM1E105BECB2千石1u/25Vタンタルコン。三端子レギュレータCout
TBM1E335DECB2千石3.3u/25Vタンタルコン。三端子レギュレータCin
1HUTES100M2千石東信UTES 10u/50V。入力C
1EUTES102M2千石東信UTES 1000u/25V。出力C
1EUTES222M2千石東信UTES 2200u/25V。アンプ電源C
1EUTES472M2千石東信UTES 4700u/25V。トランス二次側平滑用C
ノンブランド ユニバーサル基板1千石電源実装基板。24x18ホール ガラスエポキシ
SP-1203W1菅野電機研究所(SEL) 二次側12V/0.3Ax2 トランス
50k Aカーブ2連ボリューム1その他、ケースや3.5mmステレオジャック、RCAジャック等
パーツ表


アンプ部実装後


電源部実装後

レイアウトを見ると分かる通り、密集度は高くなく、実装部品数も多くないため、そんなに難しくない。実聴の価値はあるから興味ある人は作ってみて欲しい。


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1石(MOS-FET) 0dBヘッドホンアンプ(★★★★★お勧め)

タイトルには1石とあるが、定電流源としてトランジスタを使っている。
利得無し(0dB)のバッファとしてMOS-FET(IRLB3034PBF)を使ったヘッドホンアンプである。


0dBヘッドホンアンプ

特徴としては、2次側2回路のトランスを使い、プラス電源を2つ作っている。
これで、電源に起因するクロストークの悪化を防ぐもくろみ。

実はこのアンプ、特性はあまり良くない(悪くもないが)。
特性が云々とか言うのがバカらしいほど音が良い。
たぶん、今まで作った中で1番か2番ぐらい。
信号ラインに電解コンデンサが入ってるが、全く音の劣化を感じない。
もの凄くダイナミックな音を出してくれる。キレも良い。

利得やら負帰還やら無縁の世界がそこにあった。これは作るべきだ。
ちょっとこのシリーズにハマりそうである。


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2015年3月1日日曜日

たった1石(MOS-FET)ヘッドホンバッファアンプの検証

前回作った「たった1石(MOS-FET)ヘッドホンバッファアンプ」を、負荷の有無でどのくらいの違いがあるのか実機を使いRMAAで検証してみた。
負荷は、負荷無しはUSBオーディオ(UCA222)の入力インピーダンスの27kΩ、負荷有りは33Ωのカーボン抵抗とする(普段使いのヘッドホンを想定)。
※負荷無しとは、出力をオープンにすることではなく、負荷が軽い(入力インピーダンスが27kΩで、ほとんど電流を必要としない)ということである。


サマリー

左から測定に使ったUCA222のループバック、負荷無し、負荷有りの結果である。やはり33Ωの負荷だと歪率、IMD特性(混変調歪み)、クロストーク値の低下が顕著に現れている。しかし、UCA222の悪い下駄を履かせた状態であるので、少し大目に見て欲しい。


周波数特性

負荷有りだとほんの少し低域が下がるが、ほとんど劣化していない。高域のクネクネはUCA222のクセなので気にしないで欲しい。そして、RMAAは20kHzまでしか測定できないため、20kHzでぶった切られる。


ノイズレベル

ノイズレベルはほとんど劣化せず。最大1.3dBの差しか無い。
概ね-120dB付近と低い値である。


ダイナミックレンジ

ダイナミックレンジもあまり劣化してない。たった1石のMOS-FETで利得無しで88.9dBは立派ではないだろうか。
微妙に周波数がずれているのが気になるが。


全高調波歪

負荷有りは、特に高域の歪みが悪化している。
しかし、負荷の有無で約0.05%の違いでしかない。そして約0.1%の歪みは聴感上で分かる人はいないのではないか。さらにこの歪みが良い味を出すことも考えられる。
微妙に周波数がずれているのが気になるが。。。


IMD特性(混変調歪み)

よく分からないが、全高調波歪と数値的にあまり変わらないから、色んな音が混ざってもそれほど特性が劣化しない…とポジティブにとらえよう。
微妙に周波数がずれているのが気になるが。。。。なんでだ!?


クロストーク

さすがに負荷が33Ωだとクロストークが劣化する。一番劣化が激しい項目である。元々低域は指向性が無いから問題視してないが、高域でも-66dBは確保してるからまぁまぁではなかろうか。たぶん、-66dBで音が漏れても糞耳なJJには聞こえない。

このアンプは0dBアンプである。つまり利得が無いのだ。
そのため、測定時はフルパワー状態で稼働している(そうしないとRMAAが測定モードに入らない)。
したがって、通常のリスニングでは、もっと特性が良い状態で聴いていることになる。これらの測定結果は参考値と考えて欲しい。

実聴するとこんな数値がバカらしく感じる。


最後に、このアンプは発熱が多いため、ケースの蓋に穴を空けて放熱対策を施した。この状態で、プリアンプの出力ボリュームを最大、このアンプのボリュームを最大(つまりフルパワー)で数時間稼働後、MOS FETの温度が90度、コンデンサ付近の温度が63度であった。
データシートの許容範囲に余裕で収まる温度と分かり、これで連続稼働も安心である。
もし、自分でも作ってみたい…と思った人は、放熱対策を十分して欲しい。


あまり綺麗な穴ではない。。。

ドリルの切れ味が劣化していた(笑)


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