2016年2月1日月曜日

オペアンプ+ダイヤモンドバッファなヘッドホンアンプ。その2

前回投稿した回路で実際に製作、特性を測定してみた。


実装後

測定は、USBオーディオI/FにBEHRINGERのUCA222を、アプリケーションはRMAAを使う。緑線がUCA222、白線がこのアンプ。
ちなみに、UAC222は色違いなだけで中身はUCA202と同じだそうだ。
ダイヤモンドバッファを構成するトランジスタは、熱結合してあるのが分かるだろう。
この状態で、出力段のトランジスタの温度は40度~50度で均衡する。熱結合しないと、出力段のトランジスタC2120/A950が熱暴走するかもしれない。

機器の接続方法は、PC - UCA222(OUT) - (IN)当該アンプ(OUT) - (IN)UCA222。
※LoopBackとは、PC - UCA222(OUT) - (IN)UCA222。つまり、自分の出力を自分の入力へ繋げる。

TestこのアンプUCA222のLoopBack
Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB:+0.08, -0.10+0.11, -0.08
Noise level, dB (A):-89.5-89.3
Dynamic range, dB (A):89.789.5
THD, %:0.0340.038
IMD + Noise, %:0.0570.057
Stereo crosstalk, dB:-87.9-89.7
サマリー

なんだか、UCA222単体よりもこのアンプを噛ました方が特性良くなってるじゃねw


周波数特性

UCA222の出力とピッタリ重なって、アンプによる劣化無し。
※高域の波打ちは、UCA222の癖である。念のため。


ノイズレベル

UCA222のノイズをそのまま拾ってる感じ。


ダイナミックレンジ

UCA222の(略)

つまりは、UCA222ではちゃんとした測定ができないレベルで特性が良いということだ。
周波数特性とダイナミックレンジに出ている50Hz付近の山は、AC100Vからのノイズが影響していると思われる。JJは関東住みなので。
アルミケースの蓋を開けたまま測定したのが要因の一つかもしれない。蛍光灯やら何やらから飛び込んで来たか。

聴き込んでみた結果、その音は測定結果通り、ダイナミックレンジが広くノイズが皆無で、エッジが効いたサウンドだ。エッジは効いてるが聴き疲れはしない。クラシック音楽を聴いてると心地よさに居眠りしてしまうほど自然な音である。
NJM4580の性能を全て引き出したような気がする。

この回路の特徴は、音声信号ラインに「直列に」コンデンサが入ってないこと、位相補償をする代わりに入力時点でローパスフィルタにより高域を減衰させていること、出力段にダイヤモンドバッファを使い低歪を実現していること。
これまでの実験より、ヘッドホンアンプ程度の出力ならば、同等出力のバッファ回路なら、一般的なバイアス作ってプッシュプルより、ダイヤモンドバッファの方が歪率が低いようだ。

また、バイポーラ入力なオペアンプでも入力抵抗を高くでき(入力に並列な抵抗を入れてないため)、出力オフセットをゼロに合わせ込むことができるのも特徴だ。


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